Macでネットがつながりにくい、急に切れる…。
そんなWi-Fiのトラブルに出くわしたとき、どうしてますか?
実はmacOSには、Wi-Fi接続の不具合を診断・監視・解決するための純正ツールが用意されています。
それが「ワイヤレス診断ツール(Wireless Diagnostics)」です!
このワイヤレス診断ツールを使うことでリアルタイムのWi-Fi速度などをグラフ表示出来たり、周囲のWi-Fiをスキャンしてチャンネルの混雑状況や電波強度も確認できます。
そのような強力なワイヤレス診断ツールについて紹介します。
Wi-Fiで困った時に役立つツール。ぜひ使ってみてください!
簡単にWi-Fi情報を確認する方法
オプションキーを押したままWi-Fiマークをクリックします
今接続しているWi-Fiの情報をすぐに確認する事が出来ます。
IPアドレスやMACアドレスの情報に限らず、Wi-Fi電波強度であるRSSIレベルやノイズもわかります。
ワイヤレス診断ツールとは?
このツールでは、次のようなことができます:
- リアルタイムのWi-Fi速度をグラフでチェック
- 周囲のWi-Fiをスキャンして、チャンネルの混雑状況を確認
- 電波の強さ(RSSI)やノイズなどの詳細を把握
- 通信内容をキャプチャして高度な解析も可能
まさにWi-Fiトラブルの総合診断ツールなんです。
ワイヤレス診断ツールの起動方法
- Spotlight(⌘ + スペース)で「Wireless Diagnostics」と入力
- または Option キーを押しながら Wi-Fiアイコン →「ワイヤレス診断」
起動後は、メニューバーの「ウインドウ」から詳細ツールを開くことができます
ワイヤレス診断ツールの見方
起動後にウインドウメニューから以下の項目を確認出来ます。
アシスタント(Assistant)
最初に表示される診断ウィザード。Wi-Fi接続問題の原因をステップごとに診断してくれる。最も初心者向け。
情報(Info)
現在のWi-Fi接続の詳細情報を表示。SSID、BSSID(Basic Service Set Identifier)=SSIDの識別子、信号強度(RSSI)、ノイズレベル、送受信レート、セキュリティ方式など。ネットワークの状況確認に必須。
同じSSIDを複数APで出力しているのであれば、BSSIDの変化を見ることでアクセスポイントが切り替わったかどうかわかる便利な識別子です。これがすぐに確認できるのはとても便利。
ログ(Logs)
Wi-Fiに関するシステムログや診断ログを収集・表示。トラブル時にログファイルをエクスポートしてAppleサポートへ送信する際にも利用。
パフォーマンス(Performance)
リアルタイムのWi-Fiの速度・安定性をグラフ表示。スループット(通信速度)、信号とノイズの関係(SNR)などを視覚化。電波状況が時間とともにどう変化しているかを確認できる。
RSSIやSNRについて
RSSI(Received Signal Strength Indicator)は電波の強さです。0に近いほど強く、マイナスが大きいほど弱いです。-60~-50dBmぐらいが一般的に良好範囲です。
ノイズはマイナスの値が大きいほうがSNRの数値が良くなります。
SNR(Signal to Noise Ratio)は、RSSI-ノイズの差で算出します(これは大きいほど良い)
RSSI目安
RSSI値(dBm) | 電波強度の目安 |
-30 dBm | 超強い(基地局の隣レベル) |
-50 dBm | 非常に良好(サクサク通信) |
-60 dBm | 良好(ネット利用に十分) |
-70 dBm | 少し弱い(通信が不安定になりがち) |
-80 dBm | 弱い(動画が止まるレベル) |
-90 dBm以下 | 圏外に近い(ほぼ通信不能) |
SNR目安
SNR値(dB) | 状態 | 説明 |
40以上 | 非常に良好 | 高速・安定。理想的な状態です。 |
25〜39 | 良好 | 問題なく使えるレベルです。 |
10〜24 | やや不安定 | 遅延や接続切れの可能性あり。 |
0〜9 | 悪い | ほぼ通信不可。改善が必要です。 |
スキャン(Scan)
周囲のWi-Fiネットワークをスキャンして、チャンネルの混雑状況や電波強度などを一覧表示。干渉の少ないチャンネルを見つけたいときに役立つ。
スニファ(Sniffer)
パケットキャプチャ機能。Wi-Fiの通信内容を指定したチャンネルでキャプチャして保存できる。保存された.wcapファイルはWiresharkなどで解析可能。高度なネットワークトラブル対応に使われる。
Sidecar診断
Sidecarの動作環境、AirPlay通信、接続方式などの確認が可能
トラブル別ツール使い分け
シチュエーション | 使う項目 |
---|---|
接続できない/切れる | アシスタント、情報、パフォーマンス |
電波が弱い気がする | 情報、パフォーマンス、スキャン |
他のWi-Fiと干渉してそう | スキャン、スニファ |
パケットレベルの詳細を見たい | スニファ、ログ |
Appleサポートにログを送りたい | ログ |
まとめ
「ワイヤレス診断」は、表面的なWi-Fiトラブルだけでなくネットワーク管理や構築にも役立つ隠れた神ツールです。
普段はあまり気にしないWi-Fiの状態も、このツールを使えば細かく分析できます。
ネットが不安定だなと感じたら、まずこのツールを試してみてください。
純正ツールで簡単に近くのWi-Fi電波の状況を確認出来るなんて、とても便利です。
Wi-Fiトラブルに関しては、原因を追求する為にいろいろな角度から調査が必要になりますので、心強いツールとなってくれますよ。